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静電気防止床材の選び方、使い方【図解】

静電防止床 静電気防止グッズ
静電防止床

静電気防止床材の購入ガイドとして下記のポイントをメインに解説しています。

・静電気防止床材の原理、仕組み、効果

・静電気防止床材の使い方、保管

・静電気防止床材のメーカー比較、種類

 

ご参考になれば幸いです。(^_^;)

静電気防止床材とは?|静電気除去床材

静電気を管理する上で、ESD管理領域の床帯電は、動く人、機器類で発生する静電気が大きな要因となります。床の静電気防止管理を大きく2つに分けると、まず、“作業者との接触においての帯電を制御する”帯電防止の考え方”と、“発生した電荷を穏やかに放電する”接地の考え方があります。

前者は、帯電防止の考え方、後者は、接地の意味合いが強いものです。ただし、床のESD管理を行う場合、その指定領域内での履物については、規定を作成したり標準書を設計する場合、同時に決定することを考慮しないと、全体の管理が崩れてしまうこともあるので注意が必要です。

さて、クリーンルームとは異なりESD管理領域の境界が不明確であることが多く、古くは、一般領域の履物のまま入ってくることが多かったのですが、IECやEIA等でESD管理標準が作成しやすくなったので、境界の表示やマーク等を行う企業が増えてきています。

そのため、絶縁性の靴底を使用している作業者が、不用意にESDSに接近することは少なくなったようです。

静電気発生要因

静電気発生要因

 

 

 

 

静電気防止床材の目的

の帯電防止のため
絨毯など絶縁体のものだと床自体が帯電する。

②作業者等が静電気帯電した場合たまった電荷を床から除電するため。
床から電荷を逃がすことができなければ、静電靴を履いても人体が帯電したままになる。

 

静電気防止床材の特徴

静電気が帯電した場合に素早くアースラインへ逃します。
導電性マットに必要な電気抵抗値「Ω」(オーム)は105Ω~109Ωで、この電気抵抗値が大きい程、電流が流れにくくなります。

静電気防止床材の構造

構造は下図のように2層以上の構造になっていることが多く、高抵抗部(緑色)低抵抗部(黒色)で構成されています。

高抵抗部でたまった静電気は低抵抗部へ流れます。その後、床やEBP(Ground Bonding Points:グラウンド接続点)に静電気を流すことで除電をしています。

 

静電気防止床材の施工方法

①床面を清掃、テープの残りかすや油分汚れなどがあるとテープの密着性が悪くなる。

②マット下面に導電性両面テープを貼り付けて、床に貼り付ける。

導電性カラーマット用アース板を用いてカットした各マットを電気的に接続する。

④導電性カラーマットの下にアース線を施工する。

 

 

 

 

日本工業規格では床仕上げ材及び施工床の電気抵抗を JIS C61340-4-1で規定している。

JIS C61340-4-1床仕上げ材及び施工床の電気抵抗の詳細は下記のサイトを参考にして下さい。

 JIS C61340-4-1床仕上げ材及び施工床の電気抵抗 

JISC日本工業標準調査会サイト

床仕上げ材及び施工床の電気抵抗の日本工業規格はJIS C61340-4-1です。JISC日本工業標準調査会サイト内のJIS検索から内容が閲覧可能です。(但し印刷不可)

*現在はIEインターネット エクスプローラーのみ閲覧可。

kikakurui.com |JIS規格票をHTML化したサイト

床仕上げ材及び施工床の電気抵抗の日本工業規格 JIS C61340-4-1が全文、閲覧、印刷可能です。(但し図、イラスト含まず)

床仕上げ材及び施工床の電気抵抗 JIS C61340-4-1

 

 

静電気防止床材の種類 |静電気除去 床シート

一口に静電気防止床材といってもさまざまなタイプがあり、分類の仕方によっては、数十種類にもなってしまいます。 ESD管理の場合には、特性による分類の他に素材、寿命などによって分類していますが、他のESD対策製品に比較してESDの対策特性、たとえば表面抵抗率や体積抵抗、摩擦帯電の特性で分類するよりは、素材、組成、寿命などで分類する方が一般的のようです。

ここでは床の分類を①恒久的なものと、②簡易的なものに分けて説明してみます。

 

恒久的な静電気防止床材 |静電気除去 床タイル

一般的なものすべてを指すようですが、ESDの概念では、磨耗や加重、経年変化等の、いわゆる物理的な変化のほか、化学的耐久性なども考慮したものを指します。

したがって、最も一般的なゴム系やビニール系のタイルやシートのほか、高圧ラミネート材料、ポウドフロワー材料としてのエポキシや、その他のポリマー材料、導電性ペイントこれらの材料は、素材、構造上シームレスで、水きり加工が可能な場合も多く、外気との湿度差が問題になるような高湿度環境下では、かなり有効なものです。

 

また、合成樹脂類の素材製品の中には、今後の廃棄で問題となる可能性のある素材を含むものもあり、設計時の注意点として今後問題化してくると思われます。力-ペットについては、一部の事務所での使用以外、利点も少ないので生産工程での使用は、それほど多くはありません。

簡易的な静電気防止床材 |帯電防止 導電塗料

80年代前半には、床仕上げ剤や一般の帯電防止剤を、Pタイルや通常のエポキシ系の床に使用していましたが、床が滑りやすくなったり、水や化学的な溶剤で簡単に取れてしまう等の問題がありました。これらの問題は、近年、改良され、従来のようなものは少なくなってきています。実際、現在使用されている床仕上げ様の帯電防止材料は、ペイントやポウドフロワーに近い表面層を形成するものもでてきています。
床仕上げ剤と分類されるものは、一般用のワックスのような使用方法をとるために、一般ビルメンテナンスの普及とともに、市場も大きくなってきました。

初期のものは、帯電防止剤のように水やアルコールなどで間単に効果がなくなってしまうものもありましたが、80年代に入り専用の処理剤も開発されてきました。これらの中には、床の表面に、かなり強い硬化被膜を形成するものもありましたが、導電性や帯電防止の汚染を引き起こす可能性が指摘されたために現在では、剥離や磨耗を考慮したものに変化してきています。

一般的に床材料は、施工により特性が大きく変化してしまうために、素材の選択のみでESD管理の終了というわけにはいきません。施工時、施工後はもちろん、常時、抵抗等の指標を使用してモニターを行う必要があります。また、安全性やESD以外の物理特性、そして経費など一般的な床資材の調達と同じ諸注意が必要なのはいうまでもありません。

床の評価については、財団法人日本電子部品信頼性センターの資料を参照すると良いと思います。 JIS-L-1023、ISO-6356、AATCC-134、NFPA-99、ASTM-150など。

静電気防止床の選び方、使い方|導電性ーマット

次に主な床材料であるカーペットやフロアマット、タイルなどの帯電防止について述べます。
下表は、静電気防止床材料とその構造的な特長や長所などを比較した表です。

帯電防止床材料比較表
製品名 利点 問題点 電気特性
カーペット 見栄え・快適さ 電子産業工場用途では使用しない。 通常は約1010Ω
フロアマット
①導電型
②静電気防止型
設置容易
最適な静電気防止特性
既存の床に使用可能
局所的保護
カールしやすい
温度依存性あり
コンタミの発生あり
107Ω以下
109~1012Ω
静電気防止塗布床
①導電型
②塗布床型静電気防止剤
③床用静電気防止剤
普通の床に使用可能
良好な静電気防止特性
処理が簡単・コスト安
処理が簡単・コスト安
コンタミ耐久性
ライフ、特性
バラツキ、温度依存、
保守/再処理
107以下
109~1012Ω
109~1012Ω
静電気防止張床 静電気防止特性が良い
耐久性・永続性が良い
一部クリーンルームに使用できるものがある
コスト
既存設備への取付
105Ω程度

静電気防止 カーペット

カーペットは、美観や心地良さからコンピュータルームなどで使用されますが、IC製造など厳しい現場での静電気管理上の防止効果はなし

静電気防止 フロアマット

局所な静電気防止管理に適しています。主に静電気防止床材料を施していない作業台周辺や検査室内の局所保護的に使います。材料としては、導電性カーボンを配合したゴム、ビニール、ポリオレフィンの材料とニトリル系のポリマーの2層構造になったものがメインです。
特長としては、比較的施工が容易ですがマットの汚れや材料の劣化、マットがめくれ上がりやすいなどの欠点もあります。

静電気防止塗布床 |ウレタン樹脂塗装

静電気防止塗布床には、導電性塗料、塗布型静電気防止剤、床用塗布型静電気防止剤の3種類があります。

導電性塗料は、導電性カーボン繊維、金属繊維などを混ぜた導電性床材料で、非常に使用しやすく静電気防止特性も良いので広い工場全体の静電気防止が可能です。しかし、粉塵発生や耐久性の問題点などからクリーンルームでの使用には適していません。塗布型静電気防止剤に関しては、本来床に使用するものではなく、耐久性や再処理期間(ライフ)に問題があります。経費が安いのが長所です。

床用塗布型静電気防止剤は、床表面のワックスなどを除去した後に床表面を洗浄し、静電気防止剤塗布という3液で処理するものがメインです。初期費用については、処理コストが比較的安く特性も良いという長所もあるが、特性の維持が湿度や外部要因による依存性のあるものがあったり、業者委託による再処理にかかる経費が予想より高くつく可能性があります。

静電気防止張床材

静電気防止張床材には、タイル、シートなど導電性ビニール素材のタイル、シートタイプと、メタルファイバ繊維などを混ぜたカーペットタイプがあります。
タイルやシートタイプは、導電性材料がタイル全体に分布していることから電気防止特性は良く、耐久性も良いので、静電気管理には向いています。
ただし、経費が非常に高くなります。

【 TOLI電気性能マーク(高分子系床材)】

導電マーク

発生した静電気をアース板を通じて地中に逃がす事によって静電衝撃を防ぐ導電グレード。コンピューター制御室の使用に向いています。

導電マーク

 

 

 

 

帯電防止

静電気を放電させ、発生量を緩和する帯電防止グレード。工場の組み立てライン、OAオフィス、手術室、検査室、薬剤室などの使用に向いています。

帯電防止

 

 

 

 

おすすめ導電性カラーマット |  静電気防止床

工場内の床面で作業者、デバイスを乗せたカートなどが通る場所は床面にESD対策を実施します。床用のマットには補強繊維が入っており、長期の敷設でも伸びや破れにくい。

HOZAN(ホーザン) 導電性カラーマットグリーン F-703

●良質のゴムにカーボン粉を均一に混入させたことにより、優れた導電性をもち、静電気を確実にアースラインへ逃します。

エンジニア 導電性カラーマット ZCM-04

●ゴムシートなので床の形状に合わせて切断が可能です。
●アースに接続すれば、マットに接続させるだけで、人体や工具、電子部品に溜まった静電気を除去します。
●静電気対策がされていない床面や作業台。

 

 

おすすめ導電性クッションマット | 静電気防止床

リストストラップを着用できない立ち作業では人体→作業靴→床で接地することが認められています。この場合の床は通常の対策された床とは別系統で、より低い抵抗値で管理されている必要があります。

HOZAN 導電性クッションマット(5枚入) F735

セル生産現場の疲労軽減と静電防止に最適!

長時間の立ち作業を伴うセル生産現場において、作業者の方の疲労軽減を目的にした緩衝性のある導電性マット。生産性の効率化と作業環境の改善が両立できる。

TRUSCO アキレス 静電気対策クッションマット S101C

●適度な緩衝性で足疲労を軽減します。
●ハイレベルな静電気対策性能を持っています。

●立ち作業エリアの足疲労軽減、冷えた床面からの凍え防止に。

 

おすすめ 導電性塗料 | 静電気防止床

導電性塗料とは塗料樹脂に導電性添加物として導電性カーボン、金属酸化物の粉末を混入したもの。
金属粉末としては導電性が安定な銀粒子が最も使われる。
導電性としては100~1000Ω

使用用途は各種電極、プリント配線、セラミックコンデンサーなど導電性皮膜を必要とするあらゆる製品に使われています。

リンレイ  導電性ポリマー配合

帯電防止床タイルが施工されているコンピュータ室等に使えます。また、冬場静電気トラブルの起きやすい量販店通路等でも効果を発揮。

クリンカラーE-30 導電 青、緑系_15kgセット[日本ペイント]

●無溶剤2液型エポキシ樹脂導電床用塗料

●クリンカラー E-30 導電 日本ペイントは、無溶剤2液型エポキシ樹脂導電床用塗料です。導電性を有しています。

静電気防止床の清掃方法、メンテナンス

静電気防止床を購入すると、清掃方法が書いてあるものがあります。その場合には指定されている方法に従う。

通常は、ごみやほこりはほうきや掃除機で清掃します。ひどい汚れにはモップや雑巾で水拭きを行います。床の清掃に専用品以外のワックスの使用は厳禁です。シリコンやパラフィンの蓄積で床面の導電効果が落ちる可能性があります。専用品以外のクリーナーも厳禁です。導電性マットを痛める可能性があります。

 

静電気防止床材 評価方法

表面電気抵抗値は1×107MΩ以下、定期的に静電防止床材の測定を実施。

NFPA
National Fire Protection Association(米国消防庁)の規格で ANSI/NFPA99 を指す。
床材の表面の電気抵抗や、表面からアースまでの間の電気抵抗を、絶縁抵抗計測器によって測定する試験方法。

関連記事:静電気除去シートの正しい選び方、使い方 【図解】


*さらに詳しい内容は下記の文献を参考に願します。

 

参考文献:

静電気の基礎と帯電防止技術 著者:村田雄司 日刊工業新聞社
たのしい静電気  著者:高柳 真
静電気トラブル Q&A  監修:田畠泰幸

図解 静電気管理入門 著者:二澤 正行 工業調査会
静電気がわかる本―原理から障害防止ノウハウまで 高橋 雄造 (著)
電気機器の静電気対策 (設計技術シリーズ) 水野 彰 (監修)

 

 

コメント

  1. 大西 敏晶 より:

    可燃性液体(ガソリンとほぼ同一)の付着した服を遠心分離したあと、乾燥室(温風温度 50℃)で乾燥しています。
    乾燥室は、可燃性蒸気の比重が重いことから、床面に局所排気装置を設置し、排気しています。
    この乾燥室に設置する静電気対策用マットには、導電性マット or 帯電防止マットの
    何れを選択するべきなのですか?
    御教示お願い致します。

    • antistatic より:

      連絡、遅れてすいません。
      導電性マット or 帯電防止マット いずれもOKです。
      ステンレス製マットも汚れ防止&化学変化防止にも良いと思われます。

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